学園と寮での生活について綴った日誌
余韻

 あれこれと手間を掛けたティーパーティは無事に終わり、いつもの日常に戻る。
 少し落ち着いて、静かになった学園の廊下でぼんやりと外を眺める。



 パーティの最中は普段は会うこともないような人達と話をするから、全く異なる世界に錯覚をする。
 


 そう。
 彼女が居たあの空間は、僕にとってはまるで違う世界だった。
 
 
 彼女にお会いしたのはいつぶりだったか。
 久しぶりにお会いできたのも勿論だけれど、なにより、
 

 
『あら、あなたはドランスフィールド伯爵家の…』

 
 
 僕を覚えていてくれたと。
 そんな小さな事にその瞬間に舞い上がった。
 
 
 
 ―――だというのに、それと同時に思わぬタイミングで戻ってきたサリヴァンに機会を横取りされる。
 いや、まあ。サリヴァンが彼女と同席だったから致し方ない事なのだけれど。
 
 
 彼女と話せる機会が来た、と思った途端に何かと邪魔が入る。
 レティシアも悪気がないとはいえ、あのタイミングはないだろう…
 
 
 
 楽しいティーパーティとはいえ、僕は接客に忙しいし準備に時間を取られるし、折角会えた彼女ともろくに話せず…。
 
 そう肩を落としながらも、その後のお客様方からの感想を聞くとやっぱりそんな努力と犠牲の甲斐もあったなあ、と、笑いながら少し妥協気味な僕だ。
 

 
 僕ら7年生はもう来年は参加する事はできないけれど、またこんな交流の場で来て頂いたお客様方と楽しく話をして、同期の仲間と後輩たちとで楽しく準備をしていきたいなと思う。
 
 僕には彼女と楽しくお喋り、だなんて勇気はもちろんなくて、あと少し…一歩でも踏み出せば手が届くところにいる彼女だけど。
 それでも僕は、格好悪いけれど意気地なしなわけで。
 
 
 今は無理だけど、いつかは君と他愛もない話で盛り上がれるくらいにはなれるように努力するよ。
 


 
 
 
 ――さて、遠くでサリヴァンが騒いでいるようだから行かないと。
 
 
 
 「おいサリヴァン、ジェイミーをからかうのも大概にしとけよ」
 
 「誤解だな、ダミアン。僕を誰だと思っ「はいはい」
 
 「僕は別になんともないよダミアン…!大丈夫…グスッ」

 
 
 今はこの仲間との時間を大切に過ごそう。
 
 
 次回のティーパーティも張り切らなくちゃな。
18:10 (27ago)ダミアン - -
日差し

淡い光が差し込む部屋の窓際で、
音も立てずに啜っていた紅茶を口から離し、小さく息を吐く。

サリヴァンが案出しをした今年のティーパーティーだが、思った以上に仕事が多い。
発案者本人もここまで手間が掛かるとは思っていなかったようで、方々に笑顔の応対が忙しい様子。
先刻も用件を伝えようと声を掛けたけれど、

「あぁ!?今、忙しいんだ!」

なんて言ってつっぱねられた。


仕方なしに、とある後輩に野暮用として依頼した。
素直に引き受けてくれたもので、助かった反面で意外性もあった。
普段の態度はともかく、頼りになる。

……なんにせよ、少し身軽になった。



ウェントワースとの交流会か……

窓越しに見える蒼い、蒼い空をふと眺め、
また小さく息を吐き、立ち上がった。


良いティーパーティーに、しよう。
10:14 (27ago)ダミアン - -
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