学園と寮での生活について綴った日誌
安寧


ティーパーティーは無事に終わったようだ。

友人を案内していてそれほど関われなかったのが残念だが、
面白い趣向のゲームをしたりなど一応の盛り上がりを見せたようだ。


こういった余興においては、
この学校の卒業生ならば何になるにせよ必ず必要になるであろう
社交性やリーダーシップが問われる。


後輩たちの力を推し量るのもまた監督生の務めというところか・・・
その中でもオスヴァルト・ハーゲン・ダブロフスキーは頭一つ抜けた存在だ。


騒がしく動き回っていたのはスティードだが、
実際、会が滞りなく進んだのはダブロフスキーの貢献があったからこそ・・・


その能力から次年度の監督生に指名されるのは確実だろうが、
柔らかな物腰、そしてあの求心力・・・


大衆は愚かだが、結局のところ大衆を動かす知恵者が勝利を享受するのが世の常だ。
あの人たらしぶりは要注意、といったところだろうか。


そういえば、二人で話していたところにいきなり慌てて飛び出してきた女の子・・・
名前は確か・・・

・・・あぁ、ミス・オルランド。


結局、寮母さんに頼んでしまって、直接紅茶を持っていくことはできなかったが、
彼女は大丈夫だっただろうか・・・
他の寮生だったが、寮内の安寧を守るのも、監督生の責務だからな。

 
17:00 (14ago)ユージィン・セオフィラス・ウィンストン - -
稀有


「もう、そんな時期か・・・」


7年間過ごしてきたこのヘイスティングスとも次第に別れが近づいている。
文学、史学、数学・・・
ここで学んだあらゆる学問よりも、
たくさんの人間を直に見ることができたことが
最大の財産かもしれない。


人を統べる者、
人の助けとなることで価値を発揮する者、
そして人にへつらう者・・・


人の活きる道は多岐にわたり、
またひとえに人を統べるといっても、
その支配力は人によって全く異なる。


そして厄介なのは名目上の器。
そう、たとえばこのスティードにしてもそうだ。


彼が気にしている、「監督生」そして「伯爵」。
これらはみな只の名目上の器。


しかし大衆の多くはこのスティードのように
それらに振り回される。
まるでわずかな餌に誘われるがままに
飼い主についていく駄犬のように
権威に盲従する。


何も見えてはいないのだ。
本当の力を見抜く見識も持たず、
名前や称号をありがたがる愚鈍な民・・・


しかし名前や称号は本来、
実質が伴う者が扱ってこそまばゆく輝く器・・・


ただ、生まれながらにして名実が揃う者は稀有なのも確か・・・
世を正しく導くためには時に人為的に名実を作り出すのも、或いは・・・


しかしながら、異なる見方をするならば、器とは便利なものだ。
只の変人と思しきこのラファエルも「伯爵家の嫡男」
という立場であるために周りから庇護を受けている。


だが芸術家ならば器は自分で創るもの。
そして「斬新」な頭を持つ彼には・・・
フフ・・・「伯爵」という器は少々重荷ではないのかな・・・
17:00 (14ago)ユージィン・セオフィラス・ウィンストン - -
常緑


ランチェスターでの生活も七年目を迎え、
監督生になった今でも、
その日常は驚くほど単調で退屈だ。


山々に降り注がれた雪が溶けて渓流に流れ込む、
​かすかに春の香りを届けるような、この風景さえ
大層な変化に思えてならないほどに。


学園生活の無機質さは、
少年たちの繊細すぎる感覚を、
世の中の変化から隔離するために大人たちが
用意した仕掛けなのではないかと疑うほどだ。


「教育」


その名のもとに囲われし次代のマリオネットたち。
貴族や資産家の子息もその例外ではない。


誰もが思考だけは自由のはずだ。
しかしいつの時代も自分たちの権利を
守ろうとする者がいる。


そして彼らのすることと言えば、
今の体制に不満が出ないよう、
思考を停止させることだ。


フフ、ともすれば、
名門と名高いこの学園もまた
利権を守ろうとする者の尖兵なのかもしれない。


・・・
・・

そういえば、
今日はプレザンスの生徒を招いてのティーパーティ・・・


さて、退屈な日常に、僅かばかりの華やぎと仮初の彩りを・・・
15:00 (14ago)ユージィン・セオフィラス・ウィンストン - -
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