学園と寮での生活について綴った日誌
…into the fire


「はぁ・・・はぁ・・・・・・っ!」





息が切れているのは、手紙をエディントンまで届けに行ったからではない。
ついでに言っておくと、ユージィンを探し回って疲れたせいでもない。





「ま、まさか・・・あんなところにミス・インファンテがいるなんて・・・!!」





ダブロフスキーに受付の仕事を頼んだのだが・・・
さすが、頼りになる後輩!嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれて。
思わずユージィンやアリゲッティの愚痴をこぼしたのが運の尽き。


まさか、キルガーロンの名前を出したその瞬間に、
監督生のミス・インファンテが真後ろに立っているなんて
誰が想像できたであろうか。


あの目は・・・まるで狩人。
いや、野獣、か?


丁度頼まれていた用事を口実に逃げてきたのはいいものの、
あの光景を思い出すと、恐怖で震えが止まらない。
とはいえ、監督生がパーティーを放り出す訳にはいかない。
回り道をしながら、どうにかランチェスターまで帰って来たのだ。





―と、あそこにいるのはミス・クレムラートだな。
挨拶をしておかなければ。



「ごきげんよう。お隣よろしいですか?」


「え、えぇ・・・」




・・・ん?何故そんなに深刻そうな顔をしているんだろう?




「・・・デルフィナが、凄い顔をしていて・・・・・・」




デルフィナ・・・確か、ファミリーネームはインファンテ。








・・・インファンテ?












・・・・・・・み、ミス・インファンテ











恐る恐る向かいのベンチに目を向けると、
そこには狩人・・・いや、戦士の目をしたミス・インファンテ。
何故だろう、背景に深いジャングルが見える気がする。
酸欠でいよいよ幻聴まで見えてきたか・・・





いや、そんな事より。



神様



どうか



このパーティーが終わるまでは








彼女に見つかりませんように。
17:00 (14ago)スティード・レジス・プレオベール - -
Out of frying pan…


僕としたことが、不覚だった・・・




まず第1の失敗は、ユージィンにお客様の接待を任せたこと。
てっきりテーブルで談笑しているものだと思っていたのに・・・
僕がどれだけ探し回ったことか!

しかも、しらっと受付の仕事まで僕に回しやがって。
なんだ、あの流れるようなファイルの受け渡しは!
あいつが出て行くまで、押しつけられた事に気付かなかったぞ。
こっちはただでさえ仕事が多い上に、
ミスター・ホルストのお使いもあるってのに!




はぁ、一日中走り回ったせいで、体中が痛いよ・・・




第2の失敗は、ミスター・ノースブルックに遭遇したこと。
こっちは資産家のしがない三男、向こうは伯爵家の嫡男。
それなりに、いや、相当気を使って当然だろう。
余計な気遣いをしなくて済むように、準備期間から
それとな〜く避け・・・いやいやあまり話す機会が無かったってのに。

しかも、まさかあそこでクリスマスパーティの脚本の感想を求められるなんて!
「斬新」っていう便利な言葉を思いついたはいいけれど・・・


(斬新・・・で合ってるよな?嘘はついていないはずだ。うん。
 まさか、つまらなかったなんて言えるはずが無いしな。
 ・・・ん?待てよ?でも捉え方によっては悪い意味に受け取れるんじゃ・・・?
 もしも、これで彼の機嫌を損ねたら・・・
 相手は伯爵家の嫡男だ。もし家族ぐるみで報復なんかされたら
 僕はもうこの学校には・・・いやそれどころか命さえ危な――)


なんて思考が脳内を駆け巡る事、数秒。
彼が次の言葉を口にするまで、時間が止まったようだった・・・



心なしか、まだ胃が痛いよ・・・




そして何よりの失敗は、アリゲッティに招待状を届けるよう頼んだ事!!
あれだけ念を押したっていうのに、何故プレザンスではなく
キルガーロンの生徒がいらしているんだ!?
本人は確かにミス・ジュベールに届けたと言い張っているけれど・・・
まさか招待状が勝手にミス・ジュベールからミス・インファンテの所に
飛んで行った訳じゃあるまいし!




第五寮と第六寮だぞ!全く違うじゃないか!!
・・・なんて、まさか、あのミス・インファンテに言える訳ないけど。







はぁ・・・。今日はなんで、こうも災難続きなんだ・・・





とにかく!今、僕のやるべきことは、ただひとつ。










「・・・ユージィン、どこにいるんだぁぁあ!!!!」
17:00 (14ago)スティード・レジス・プレオベール - -
日常的風景


ここはヘイスティングスの第二寮・ランチェスター。
寮生たちは、来月行われるティーパーティーの準備で大忙し・・・
中でも、監督生は特に仕事が多い訳で、
僕も例にもれず様々な作業に追われている。
・・・って、言うまでもなく想像できるだろうね。
でも、初めてやる事っていうのは、想像している以上に大変なものだ。


あぁ、いたいた。やっと見つけたよ。
ユージィン、来月のティーパーティーの件だけど・・・
・・・図書室に本を返してくるから待ってくれ?
分かったよ。じゃあその後で良いから談話室に――って、あれ・・・?
さっきまでいたはずなのに、どこへ行ったんだ・・・?


っと、アリゲッティ!丁度良いところに!
この招待状を、第五寮プレザンスのミス・ジュベールへ届けてくれ。
いいか?プレザンスだぞ、プ・レ・ザ・ン・ス!!
・・・何?女子寮に入れるなら、喜んで・・・?
いいからさっさと届けに行け!!!


はぁ、これだけ念を押せば、さすがに大丈夫だろう。
・・・っと、グラシア。ちょっといいかな。
ミスター・ホルストが、当日のメニューについて話があるそうだ。
ハイドフェルドと一緒に、打ち合わせに行ってくれ。
頼んだよ。


ん?やぁ、ダブロフスキー。何か用かい?
・・・頼まれていた仕事が終わった?
そうか、ありがとう!やっぱり頼りになるよ!
あぁ、すまないがもう一つお願いしてもいいかな?
この招待客リストをまとめておいてくれ。
終わったらユージィンに・・・
・・・・・いや、やっぱり僕に渡してくれ。頼んだよ。


さて、もう一度ユージィンを探しに行くか。
あいつも監督生のはずなのに、僕ばかり仕事していないか?
全く、ダブロフスキーのほうがよっぽど・・・



・・・って、もしかして・・・




あそこにいるのは・・・





み、ミスター・ノースブルック・・・




台本を書いているのか。
つ、捕まらないように、こっそりと通り過ぎよう。
ただでさえも大量の仕事が残っているっていうのに、
これ以上、気疲れまでしてたまるか・・・





・・・・!!!!!





や、やぁ・・・きょ、今日はいい天気だね、ミスター・ノースブルック。
・・・な、何?この台本の感想を聞かせてくれ・・・?
あぁ、いや、その、ぼ、僕は、ユージィンを探しに・・・
ほら、来月のパーティーの件で!!!
しょ、招待状もまだ出し終わっていないんだ。
いやまた今度是非読ませて欲しいなでも今日は忙しいんだ本当に残念だけれど!!!
だから・・・・



・・・・・・これにて失礼!!!
15:00 (14ago)スティード・レジス・プレオベール - -
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