学園と寮での生活について綴った日誌
極色の裏に



疲労を蓄えた身体を

傍にあるソファに投げ捨て、

強いスプリングに深く眉を寄せた。




安げなソファだ、

寝心地も悪い



「…はぁ、」



照らしたアルコールランプの光が

視界の隅でちらつく。


(まったくもって面倒くさい)


ふと座った場所に違和感を感じた
ズボンのポケットを探るが何もない。



心当たりがあるとしたら…


いや、先ほど握り潰したメモは
送り主の場所に捨ててきた筈だ、ある訳がない。



じゃあ何だ?



ふと見たソファに先ほどの反動でこぼれ落ちた、”鍵”。



『今日も一層ご機嫌斜めって感じだね。王様は』


癪に触る声がした
この声は紛れもなくあの…


「ヴァレンティン。

その呼び方は止めろって言ったはずだけど」


『おいおい。

久しぶりに会った親友に

そんな目付きで睨むかなぁ?』



「親友?フンッどの口が…

休暇は家族で旅行じゃなかったのか?」


『それはもう行ってきた。

別に父の仕事のついでに付いて行った単なる観光さ、楽しかったけどね。
でも、1日中屋敷の中にいるとどうも落ち着かない。

ちょうど退屈していたんだよ。』



「…それで?」



『ブルクハルトも学園だろ?

誰かさんに苛められてるんじゃないかって心配になってさ。
そしたら、学園に着いたのが夕方になってた』



「君のそういう下世話なところが、大嫌いだ」


『誉め言葉として受け取っておくよ』


「フンッ、彼なら部屋にいる」


『ん、ありがとう』



馴れ馴れしい上によく口がまわる。


彼の馴染みだけあって部屋によく来るが
まぁ、害が無いだけ幾らかマシか。




やがて部屋は再び静かになる
手の平にある鍵を再び強く握りしめた。




今、繋ぎ止めていても

あのゲス、…先輩の事だ。
すでに自分の価値などしれている



だから、さっさと終わらせよう



茶番に付き合っているほど、


ーーーーー僕は暇じゃない。



どうせ、

全てが終わるその頃には

何ひとつ失うものなど無いのだから。


親友…

僕には一生縁のないものだ。

11:59 (30-27ago)グレン comments(0) trackbacks(0)
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