学園と寮での生活について綴った日誌
錆付いた鍵



ページをめくる音、乾いた空咳。
図書室のそんな雑多や騒音をよそに迷いもなく歩を進める。


図書室の最奥ーーー

専門書の中でもなかなか用のない部類の本がひしめき合っている場所に…

めったに人が訪れないこの深部の書架の影で
小さく反射した金属を見つけた。


(やっぱりここにあったか…)

近くに寄り見覚えのある鍵だとわかると
括られたヒモに手を伸ばしズボンにしまう

ふと無意識に取った手元の本のページを意味も無く開く
が、簡単な単語の羅列だというのにまったくもって呑み下せない

雑に本を閉じ棚に押し込んだ。

それでも様々な感情が染み付いたこの場所に居心地の悪さは消えない

そう、普通の人間ならそこで立ち去りたいと思うところだろう
しかし残念ながら僕はそういう質ではない。

何よりこの空間が嫌いではないからだ
さわさわと真上の緑が影になって揺れる

静寂も耳に貼り付けば
気にもならなくなっていた。


カタンーーー

『…グレン?なんでここに?』

後ろから気配をちらつかせたのは意外な人物。
柔和そうでいて遠慮がちに笑みを浮かべる見慣れた顔だ。

色素の薄い瞳が細められる


「別に、なんでもないよ。

ーーーーーーーブルクハルト。」

18:16 (30-27ago)グレン comments(0) trackbacks(0)
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